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カシミールのラダックとカシミヤ/パシュミナの物語 その1

カシミールのラダックとカシミヤ/パシュミナの物語 その1

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カシミール地方のラダックのカシミヤ/パシュミナの物語の始まり

Great Artisa(グレートアーティザン)のカシミヤ/パシュミナに密接に関係しているカシミヤ/パシュミナの産地 カシミール地方のラダック。
今回は、そのカシミヤ/パシュミナとラダック地方との密接な関りを一つの物語として特集したいと思います。

これを読めばカシミールのカシミヤ/パシュミナがどのような商品なのか理解できると思います。

この世界で有名なカシミヤ/パシュミナの物語は、カシミール地方のラダックのチベット仏教の遊牧民の古代部族が、海抜14000-15000フィート(海抜4,200-6,000m)の高地で、風が吹き荒れた高山地帯の中飼育している、今う言うカシミア山羊の群れを飼ったことから始まります。

このラダックのカシミヤ/パシュミナ山羊の存在は、現代的な紡績施設がインドに存在しないことやラダック自体が閉鎖的な環境であることから、このラダック産のカシミヤ繊維は世界であまり知られてきませんでした。
カシミヤ/パシュミナの原毛の産地として知られるのは、今やモンゴルや中国なのかもしれません。

ある資料では未だにカシミヤ/パシュミナ山羊の産地からラダックが外されているほどです。

ちなみに現在カシミヤ山羊は、ラダック、チベット、モンゴル、中国、イラン、イラク、ロシア、オーストラリアなどの乾燥した寒冷山岳地帯で飼育されていると言われています。

ラダック地方、チャンタン高原

カシミヤ/パシュミナの物語は、チャンタン高原から始まる

ラダックのカシミヤ・パシュミナの物語の始まりは、カシミール地方のラダックにあるチャンタン高原から始まります。

チベット北西部からラダック南東に広がる広大なチャンタン高原は、1962年のインド・中国紛争の後、チャンタン高原の西の一部がインドに属することになりました。
現在の大まかな地図に関しては、コンテンツカシミヤ/パシュミナの故郷 ラダックとはどういうところですか?に載せています。
ご興味のある方はご覧ください。

現在はチベットに加えられた中国の圧力から逃れてきたチベットの人々も含めておよそ9000人ほどが遊牧の生活を営んでいると言われています。

平均標高が4,500mのこのチャンタン高原には湖が点在し、古くからチャンパと呼ばれるチベット系遊牧民が暮らしてきました。

そしてその彼らが飼っている家畜はヤク、羊、そしてパシュミナ山羊(カシミヤ山羊)です。

ご存知のようにヒマラヤ山脈とカラコルム山脈に挟まれたこの一帯の土地の冬は非常に寒く乾燥しておりマイナス40℃以下になり、おそらくこの地球という惑星の中で最も厳しい条件の1つです。

そしてこの厳しい自然環境では草が生える期間も短く、このわずかな草を食い尽くさないよう土地や草木の再生を考慮しながら移動するチャンパの人々の知恵が、彼らの放牧の暮らしを支えています。

そのため彼らは年に8〜10回キャラバンを組んで移動しますが、夏の間はツォ・モリリ湖の近くに集まってきます。

初夏のチャンタン高原 ~ツォ・モリリ湖でのできごと~

カシミヤ/パシュミナ山羊の採毛(毛刈り)

チャンタン高原での採毛

丁度その初夏の頃、カシミヤ/パシュミナ山羊の採毛(毛刈り)はツォ・モリリ湖の近くで始まるのです。

そのカシミヤ山羊の毛刈りも想像以上に豪快な作業です。
左の写真のように一頭一頭採毛を行っていきます。

通常外側の硬い毛は売り物としては使えませんので、外毛が長くて梳き取りづらい所は外の硬い毛を切り去ってから、採毛(毛刈り)をします。

実際には毛を刈るのではなく、丈夫な櫛で毛をすき取って行きます。

そして実際にカシミヤ/パシュミナとして製品になるには、その刈り取った羊毛の中から最も柔らかい内側のうぶ毛だけを更に選別して使用します。

ただ、そのカシミヤ山羊の内毛(カシミヤ/パシュミナの原毛)は、とても「儚い」ものです。

ちょっと引っぱると、まるで春陽に雪が融けるように、すっとほどけて、消え去ってしまうかのようです。

特にカシミヤ山羊の原毛に何度も洗浄を加えてできたカシミヤ糸になる前の原毛は、わた菓子のように儚いものに思えます。

1年間の汚れがたまり、採毛したばかりのカシミヤ/パシュミナの毛でさえ、わた菓子のように美しく見える物もあるのです。

ですからそれを知っているカシミールの人たちは、そのカシミヤ/パシュミナの原毛を「ソフトゴールド(柔らかい金)」とも呼ぶのです。

カシミヤ/パシュミナの公式基準とは

カシミヤ/パシュミナの原毛

一般的にカシミア/パシュミナ糸と呼ばれる繊維には基準があって、その繊維の繊度(直径)が19μm以下となっています。(アメリカの定めた基準)
(1μmは1mmの1/1000)

そしてこれらカシミヤ/パシュミナの繊維は、そのカシミヤ山羊の糸が細ければ細いほど柔らかで暖かく、軽い織物となります。
そして通常16μmくらいになると「上質のカシミヤ」と呼ばれています。

しかしチャンタン高原のカシミヤ/パシュミナの毛の細さは、平均13~15μmです。
そして一説には12~14μmとも言われています。
※チャンタン高原のカシミヤ/パシュミナ山羊の毛の繊度(直径)検査をケケン試験認証センターにてGreat Artisa(グレートアーティザン)は行っております。
 その検査表はクールパシュミナまたはグランドパシュミナに掲載されていますのでご覧ください。

いずれにしてもカシミール地方のラダックのカシミヤ/パシュミナ山羊の毛は、その繊度が非常に細く最上級のカシミヤ/パシュミナ山羊の毛であるということが科学的に証明されています。

またカシミールのラダック産のカシミヤ/パシュミナ山羊の毛は他にも優れたところがあると言われています。

カシミヤ/パシュミナ山羊の毛の平均繊維長は55〜60mmと長く、繊度も細いこともあり、より細い糸を紡ぐことができるというのです。

カシミヤ/パシュミナ糸のランクは、その繊度と繊維長で決まると言われています。
※カシミヤの品質のランク基準についてはカシミヤ/パシュミナには、なぜ高い製品と安い製品があるの?をご覧ください。

この面からも、ラダック産のカシミヤ山羊の原毛はカシミヤ/パシュミナの中でも最高ランクに位置する原毛です。

日本の防寒対策の現状

話題は少し変わりますが、日本では、まだまだカシミヤ製品は高いという印象があるのかウールのストールやマフラーなどを身に着けられる方が数多くいらっしゃいます。

日本人のストールやマフラーの使い方は、主に首に巻く方が多くいらっしゃいます。
そのためウールを使うその方々は冬になると首の周りがストールで膨らみ防寒着、そのもののようなファッションスタイルになります。
首元だけがふっくらした姿・・・学生さんだと可愛く見えますね。

しかしウールの巻き物を大人の女性・男性が巻いている姿はどう見えるでしょうか・・・・
残念ながら決してスタイリッシュには見えません。

【まとめ】カシミール地方のラダックのカシミヤ/パシュミナの品質

そんなウール製品とカシミヤ製品の違いはこの繊度と繊維長の長さ違います。
繊度というのはその毛の直径です。
そして繊維長というのは、その毛の長さです。
これがその繊維の品質に大きな違いをもたらしています。

たとえば繊度(直径)です。
一般的に人間の肌は30μmの繊維が5%以上入っており、それが肌に接触すると肌にチクチクとした刺激を感じるといわれています。
実際、ウールの繊維の太さは、16μm~40μmと言われています。

ウールのような獣毛の価格を決めるのは、その繊維の太さ(細ければ細いほど高価)とその長さです。
最近は製品原価を下げるために多くのアパレルメーカーで細い糸と太い糸を混入させたり、価格を抑えるため太い糸を使っているメーカーも数多くあります。
そのため場合によっては、価格の安い多くのマフラーはチクチクする原因( 30μm以上のウールの繊維が5%以上混入)を満たしいているということがあるようです。

たとえばカシミヤだと、カシミールの以外の産地のカシミヤ/パシュミナの一般的なカシミヤ繊維の繊度が15〜19μmといわれています。
カシミールのカシミヤ/パシュミナ山羊の繊維は、より細く、繊維の繊度が12〜15μmです。

ではこのカシミヤ/パシュミナの繊度と繊維長の長さの違いが、織物となったときどのような違いとなって表れてくるのでしょうか。

まずは、糸が細いと繊維は軽く柔らかく、上品な光沢があり暖かくなります。
ですからカシミヤはウールに比べ、暖かく、軽く、上品な光沢や艶があり、柔らかさがあります。

また何よりも首に巻いたときにチクチクすることはないのです。
首元に心地よい暖かさを感じ、心地よいカシミヤ独特の油分も感じることができるのです。

その点からもカシミヤはウールの王様といわれています。

そして特にカシミール地方のカシミヤ/パシュミナは他の地域のカシミヤ山羊の毛よりも細いため、羊(ウール)に比べ8倍暖かく、33%軽くなると言われています。

つまりラダックで採取されるカシミヤ/パシュミナ山羊の毛は、この事実だけをみても世界トップクラスとカシミヤ/パシュミナと言えるのです。

書ききれなかった内容は、カシミール地方のラダックとカシミヤ/パシュミナの物語 その2にて特集します。
ここではラダックのパシュミナ山羊の細かな飼育状況などを特集します。

さらにラダック産のカシミヤ/パシュミナにご興味のある方はカシミールのラダックとカシミヤ/パシュミナの物語 その2をぜひご覧ください。

Great Artisa(グレートアーティザン)のカシミールのパシュミナ山羊から作られたブランドを紹介します。

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